三次元細胞塊培養器材の製造販売を手掛ける株式会社シムスバイオ(名古屋市、以下「当社」)は、このたび新商品の「TASCLワンディッシュ」、「TASCLメッシュ」、「カルチャーインサート用アダプタ」を販売開始します。「TAC […]
三次元細胞塊培養器材の製造販売を手掛ける株式会社シムスバイオ(名古屋市、以下「当社」)は、このたび新商品の「TASCLワンディッシュ」、「TASCLメッシュ」、「カルチャーインサート用アダプタ」を販売開始します。「TACSLワンディッシュ」と「TASCLメッシュ」は三次元細胞塊培養マイクロウェルプレートTASCL(タスクル)のシリーズ商品です。従来商品の「TASCL6ウェル」はTASCLマイクロウェルプレートが6枚セットですが、これらの新商品は1枚だけで手軽にお使いいただけます。マイクロウェルプレートは600ウェルと1000ウェルの2種類です。600ウェルは2025年1月16日から販売開始、1000ウェルは2025年3月以降に販売開始します。当社で直接販売するほか、各販売代理店を通しても販売します。
TASCLのWebページ https://cymss-bio.com/tascl/tascl.html
■TASCLマイクロウェルプレートの構造
図1:TASCL(タスクル)マイクロウェルプレートの構造
■均一なサイズ・形状の細胞塊を大量培養するTASCLマイクロウェルプレートの概要
従来、サイズや形状が揃った細胞塊を大量に培養することが困難でした。この問題を解決するために開発されたのが、細胞塊大量培養・分化誘導マイクロプレート「TASCL(タスクル、Tapered Stencil for Cluster Culture)」です。材質はシリコーン製で、微細加工技術により15.6mm2に約1,000個または約600個の精巧なテーパー状のマイクロウェル(細胞塊を培養する穴)が貫通しており(図1)、マイクロウェルの表面はタンパク質接着防止コーティングが施されています。
図2:「TASCL6ウェル」の1セット
TASCLをカルチャーインサートに載せて培養する場合(TASCL6ウェル、TASCLワンディッシュなど)は、カルチャーインサートを装着した培養容器(シャーレ、ディッシュ、6穴プレート)にTASCLと同じ高さまで培地(細胞の成長に必要な成分が含まれる液体)を注入した後、一定の濃度の細胞混濁液をTASCLの上から注ぐだけで、重力によって細胞がTASCLの各マイクロウェルの底辺に均一に沈降します。マイクロウェルの壁面はタンパク質接着防止コーティングが施されており、各マイクロウェル内で細胞塊が形成されます(図3)。TASCL底面の貫通孔からカルチャーインサートの半透膜を通じて培地やガスが循環し、細胞塊を良好な状態で培養します(図4)。そのため細胞塊を1カ月程度にわたって培養することができ、同一器材で細胞の分化誘導を図ることもできます。どのマイクロウェルも培養条件がほぼ同じになるため、細胞塊の大きさがほぼ均一な球状になります(図5)培養した細胞塊はピペット吸引で容易に回収できます。培地の注入・吸引はマイクロウェルとは別の部分で行うため、培地交換の際に細胞塊が流出するトラブルを防ぎます。TASCLが透明なシリコーン製のため、細胞塊をTASCLに載せたまま底面から顕微鏡で観察することもできます。
図3:TASCLによる細胞塊培養の断面図
TASCLマイクロウェルプレートには1000ウェル(1020ウェル)と600ウェル(621ウェル)の2種類のウェルサイズがあり、1000ウェルは直径250μmまでの細胞塊を、600ウェルは直径400μmまでの細胞塊を培養するのに適しています(図4)。
図4:TACL1000ウェルとTASCL600ウェルによる細胞塊のサイズ比較(hiPS 6hr)
■TASCLで培養した細胞塊のサイズ分布
図5:TASCLで培養した細胞塊のサイズ分布(TACSL1000ウェル、EBの長径)
■TASCLのメリット
①ほぼ均一なサイズの細胞塊を大量培養できる・・・マイクロウェルプレート1枚で約1000個/約600個
②細胞の状態を良好に保つ・・・底面が貫通しているため、カルチャーインサートに載せて使用する場合、底面から培地やガスが細胞まで循環し、細胞の状態を長く良好に保つことができる。1か月の長期培養も可能で、同一器材上で分化誘導を図ることもできる。 ③簡単に使える・・・細胞播種は細胞懸濁液を上から均一に注ぐだけで、遠心分離不要。カルチャーインサートに載せて使用する場合、培地交換も細胞塊に触れることなく、容易にできる。 ④開封してすぐに使える ・・・タンパク質接着防止コーティング済、ガンマ線照射済み ⑤観察が容易 ・・・透過性があるため、培養したまま底面から顕微鏡で観察できる ⑥細胞塊の回収が用意 ・・・ピペットで吸い取るだけで取り出せる ⑦器材や培地・試薬を節約できる ・・・小さく高密度のウェル構造のため器材や培地・試薬を節約できる ⑧共培養による細胞塊も培養しやすい ・・・複数種類の細胞を播種するだけ |
■会社概要
会社名:株式会社シムスバイオ
本社:〒451-0042 名古屋市西区那古野2-14-1なごのキャンパス
設立:2018年7月11日
代表者:代表取締役 門脇 純
事業内容:細胞培養・観察用器材・装置の製造販売、医療施設向け再生医療支援
TEL:050-7115-9215
FAX:03-6800-2548
URL:https://cymss-bio.com
E-mail:info@cymss-bio.com