日本の伝統文化をつなぐ実行委員会(本部:名古屋市中区)は、古典の日推進委員会(本部:京都市下京区、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー内)との共催により、「古典の日」普及に向けた歌舞伎と舞踊の公演を、2021 […]
日本の伝統文化をつなぐ実行委員会(本部:名古屋市中区)は、古典の日推進委員会(本部:京都市下京区、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー内)との共催により、「古典の日」普及に向けた歌舞伎と舞踊の公演を、2021年12月5日(日)14時から、名古屋能楽堂で開催します。はじめに「古典の日」について、古典の日推進委員会の山本壯太氏が説明。演目は、子どもおどりによる地唄「お乳や乳母」、むすめ歌舞伎による「哥宗論」、舞踊「七福神」です。当日は演目解説も行います。本公演は文化庁令和3年度文化芸術振興費補助金(地域文化財総合活用推進事業)により開催します。
【演目】
1.お話「古典の日」について (古典の日推進委員会 山本壯太氏)
意図 古典を身近なものとし、自国の歴史文化芸術に親しむ意義を伝える
2.子どもおどり 地唄「お乳や乳母」(おちやめのと)(秋山一華、岩塚美風、高亀礼実、三弦 井上満智子、唄 大濱邦子)
意図 子どもから考える古典・・・古典に向き合う子どもの姿を通して、日本文化の奥深さを感じとる
3.むすめ歌舞伎 「哥宗論」(法華僧 市川阿朱花、浄土僧 柴川菜月)
意図 女性から考える古典・・・女性が演じる歌舞の魅力を通して男女の身体表現の魅力に気付く
4.舞踊 「七福神」(市川櫻香)
意図 日本人の風習文化から考える「古典」・・・死ぬまで追求していく極上の生き方に触れる
1.お話「古典の日」について (古典の日推進委員会 山本壯太氏)
平成24年9月5日施行の「古典の日に関する法律」は、「国民の間に広く古典についての関心と理解を深めるようにするため、古典の日を設ける。」とし、11月1日を「古典の日」と定めました。11月1日だけでなく、日常的に古典を身近なものとし、古典の作品から自国の歴史文化芸術を親しむことで、風習文化を継承することが期待されます。本公演はこのような考えにより開催します。
2.子どもおどり 地唄「お乳や乳母」(秋山一華、岩塚美風、高亀礼実、三弦 井上満智子、唄 大濱邦子)
・本演目の意図
子どもから考える古典・・・古典に向き合う子どもの姿を通して、日本文化の奥深さを感じとる
あどけない子どもたちのおどりですが、舞台では日々のお稽古による修練の姿を披露します。子どもたちは、日々お稽古をして、古典の歌詞や音色、歌、伝統の立ち座り基本動作と向き合い、親しんでいます。鑑賞者にとっても、日本の文化の奥深さを感じるきっかけともなることでしょう。
・演目について
元禄期の子守歌、狂言小舞「七つ子」の歌詞がそのまま地唄(三弦と歌)でも演奏されている古典曲です。
3.むすめ歌舞伎 「哥宗論」 (法華僧 市川阿朱花、浄土僧 柴川菜月)
・本演目の意図
女性から考える古典・・・女性が演じる歌舞の魅力を通して男女の身体表現の魅力に気付く
現在にも続く「歌舞伎は男性が演じるもの」という習わしは、1629年に江戸幕府が女性が歌舞伎を演じることを禁じたことによります。しかし、歌舞伎のルーツの出雲阿国が女性であったように、創成期の歌舞伎は「女歌舞伎」でした。1984年、女性だけによる歌舞伎の劇団として「名古屋むすめ歌舞伎」が結成され、今まで活動を続けています。「むすめ歌舞伎」は、厳かな伝統芸能の世界にあって、女性の身体からは固く強いものではなく、緩やかで広がりの感じられるものを求めています。
女性の演じる歌舞の持つ魅力を通して、男女の身体から表現されるものが、やさしく、ぬくもりのあるものであることに気づくでしょう。
・演目について
「哥宗論」は、狂言「宗論」のことです。織田信長の安土宗論が有名な史実となりますが「哥宗論」は、江戸中期に生れた高力種信、武士で文筆家兼画家、尾張徳川城下の芸能興行を綴った「猿猴庵日記」に記録された女能の演目の一つを、名古屋で活動するむすめ歌舞伎により再現します。
4.舞踊 「七福神」 (市川櫻香)
・本演目の意図
日本人の風習文化から考える「古典」・・・死ぬまで追求していく極上の生き方に触れる
前演目に続き、七福神も女性が演じます。女性が男性を演じますが、衣裳は女性の礼装であり、髪型は、前割れという江戸期に師匠や男勝りの女性が結った髪型と言われています。ここに至ると、男女の性を越えていることでなければなりません。
日本神話までさかのぼると、日本最古の踊り子は「岩戸隠れ」伝説などに登場するアメノウズメノミコト(天宇受賣命または天鈿女命)と言われています。芸能文化は、男女が力を合わせてこの国の美しさ、はかなさゆえの、今という瞬間のほとばしりを自分の命の活力にしていきました。世阿弥は「命には終りあり、能には果てあるべからず」と遺しました。芸術は生活と一体です。「我々には、死ぬまで追求していくという極上の生き方がある」ということに触れていただくことを願います。
・演目について
「七福神」は長唄最古の曲と言われ、日本書記の神話から「信仰の始まり」や風習を言葉でつなぎ、それを「おどり」で表現しています。後半は、「引きもの尽くし」となります。この引くという事柄からも風習文化に見る日本人の風俗の朗らかさを鑑賞することができます。古くから、ご祝儀曲として人気を博し今に至る曲と踊りです。
●「古典の日」開催趣旨
2008年11月1日、源氏物語千年記を言祝いで「古典の日」宣言が行われました。「古典とは何か。風土と歴史に根差しながら時をこえて広く享受されるもの。人間の叡知の結晶であり、人間性洞察の力とその表現の美しさによって、私たちの思いを深くし、心を豊かにしてくれるもの。」(古典の日宣言抜粋)
この宣言の二か月前、8月29日、源氏物語千年紀「十二代目市川團十郎の描く源氏物語、上賀茂神社奉納舞踊」團十郎監修むすめ歌舞伎による『第十二帖、須磨』が奉納されました。次代の人に古典を渡していくには、いかに古典が身近に感じられるかーに尽きると思います。奉納という方法で、むすめ歌舞伎はバトンを渡されたのです。伝えかけてくるものが、訴えかけてくるものになるとき、また次の人へバトンが渡されることと思います。その繰り返しが、それぞれの今を乗り越える力になっていくのです。
●チケットの購入方法
・日本の伝統文化をつなぐ実行委員会
お名前・ご住所・電話・メール・お席の枚数をご記入の上、メールアドレス( mkabuki2@gmail.com )
またはFAX( 052-323-4575 )にてお申し込みください。受付後、お支払いについてご案内します。
お支払いは現金書留または銀行振込となります。
WEB https://dentoubunka2021.com/古典の日/ (申込フォームがあります)
・芸文プレイガイド
電話:052-972-0430 (営業時間 平日10:00~19:00、土日祝 10:00~18:00、月曜定休)
・名古屋能楽堂
電話:052-231-0088 (営業時間 9:00~17:00 休館日を除く)
●共催団体:古典の日推進委員会
2008年に設立。『源氏物語』に代表される我が国の古典文学を始め、さまざまの分野における「古典」の素晴らしさと、古典に触れ、親しむことの大切さを「古典に親しみ、古典に学ぶ」をキーワードに、全国に率先して「古典の日フォーラム」や「朗読コンテスト」、「街かど古典カフェ」などの多彩な文化事業を続けている。
所在地:〒600-8009 京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78番地 京都経済センター3階
公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー内
電話:075-353-3060
FAX:075-353-3055
URL:https://hellokcb.or.jp/kotennohi/
●主催団体:日本の伝統文化をつなぐ実行委員会
名古屋を拠点に活動し、日本に伝わる伝統芸能、文化を後世に伝承するため、講習会等の開催、メディアでの発信、実演などを行う組織。文化庁の補助事業「文化遺産総合活用推進事業(地域文化遺産活性化事業)」に5年継続の事業「中京歴史文化遺産活性化事業」(以下「本事業」)を提案し採択されており、今年度は事業4年目を迎えた。本事業の目的は、「中京地域における貴重な文化遺産に焦点をあて、それらの存在や価値を地域の人々に認知・理解していただき、地域の文化を育む」こと。
所在地:〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田3-10-3
電話:052-323-4499
FAX:052-323-4575
Eメール:mkabuki2@gmail.com
URL:https://dentoubunka2021.com/