一般財団法人グローバルヘルスケア財団

プレスリリース

2019年8月24日
Press Release

メディカルヒューマニティ―ズ(医療人文科学)のシンポジウムを2019年9月6日(金)に京都大学で開催

グローバルヘルスケアのイノベーションとコミュニケーション~メディカルヒューマニティーズに基づいて~

昨今、科学技術の進歩と相まって、医療は目覚ましく発展しています。ところが、よりよい医療を実現するためには、科学的側面のみならず、患者と医療従事者との関係、患者の物語や価値観などにも目を向ける必要があります。そこで、よりよ […]

昨今、科学技術の進歩と相まって、医療は目覚ましく発展しています。ところが、よりよい医療を実現するためには、科学的側面のみならず、患者と医療従事者との関係、患者の物語や価値観などにも目を向ける必要があります。そこで、よりよい医療の実現のために、文学、社会学、芸術学、倫理学、哲学などの人文科学を医療に採り入れようとする「メディカルヒューマニティーズ」(医療人文科学)が、世界的に注目されています。このたび、メディカルヒューマニティーズが、医療のイノベーションやコミュニケーションにどのような影響を与えるかを考えるシンポジウムを開催します。ロンドン大学 医療芸術学 ブライアン・ハーウィッツ教授による基調講演をはじめ、三講師の講演とパネルディスカッションを行います。どなたでもご参加いただけます(入場無料、要申込)。

シンポジウム「グローバルヘルスケアのイノベーションとコミュニケーション~メディカルヒューマニティーズに基づいて~」(Innovation and Communication for Global Health Care -Medical Humanities-)およびロンドン王立大学 医療芸術学 ブライアン・ハーウィッツ教授の基調公演の開催
日時:2019年9月6日(金)13時~17時
会場:京都大学医学部 芝蘭会館3Fホール(京都府京都市左京区吉田牛ノ宮町11)
参加:参加無料、要申込 https://symposium.fghc.or.jp/schedule.html

 

◆メディカルヒューマニティーズが医療に与えうる影響の例
・コミュニケーション・・・患者とのコミュニケーションにおいて、医療従事者が人文科学的なトレーニングを積むことで、思いやりを行き届かせたり、繊細なリスニングが可能になる。

・イノベーション・・・治療法が解明されていない疾患について、患者の言葉による物語を蓄積し、それを解析することを通して、疾患の原因究明や治療法の開発につながる可能性がある。

 

◆概要
タイトル:「グローバルヘルスケアのイノベーションとコミュニケーション~メディカルヒューマニティーズに基づいて~」 Innovation and Communication for Global Health Care -Medical Humanities-
日   時:2019年9月6日(金)13:00~17:00(受付12:30~)
会   場:京都大学医学部 京都大学創立百周年記念施設 芝蘭会館 3Fホール(定員 250名)
参 加 費:無料(要申し込み)
申し込み: https://symposium.fghc.or.jp/schedule.html ((財)グローバルヘルスケア財団のWebサイト)
お問合せ:電話 052-753-7932  E-mail symposium@fghc.or.jp
主   催:一般財団法人 グローバルヘルスケア財団
共   催:京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学分野
後   援:厚生労働省(申請中)、内閣府、日本医療研究開発機構(AMED)、日本医師会、京都府医師会、京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻、京都大学 政策のためのユニット、京都新聞社、特定非営利活動法人先端医療推進機構

 

◆プログラム(敬称略)
・総合司会 近藤 太郎 (元東京都医師会 副会長)
・開会挨拶 髙久 史麿 ((財)グローバルヘルスケア財団 筆頭評議員、前日本医学会 会長)
・来賓挨拶 シンポジウム概要 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学分野 教授)

・第1部:基調講演
「What are the medical humanities and why do they matter?」(日本語解説付)
ブライアン・ハーウィッツ(ロンドン大学キングス・カレッジ 教授)
座長 林 依里子 ((財)グローバルヘルスケア財団 評議員、ロンドン大学SOAS 客員教授)

・第2部:講演
「イノベーションの活用―超高齢社会の日本に期待すること」
王 恵民(エドワーズライフサイエンス(株) 代表取締役会長)
「社会の基盤としてのヒューマニティーズ」
山中 燁子 (ケンブリッジ大学 上級外交フェロー)
「人文社会系が日本の医療に貢献できるのか?」
カール・ベッカー(京都大学 学際融合教育研究推進センター政策のための科学ユニット 特任教授)

・第3部:ディスカッション(講演者全員による討論及び質疑応答)
座長 中山健夫 (京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学分野 教授)

・閉会挨拶 幸田正孝 ((財)グローバルヘルスケア財団 評議員、元厚生省事務次官)

 

◆開催趣旨
近代医学は、多くの疾病の克服・制圧、寿命の延長という私たちが追い求めてきた目標に向けて、輝かしい成果を達成しました。しかし、超高齢社会、すなわち多くの人々が「長く生きられる」ようになった時代、そして加齢の必然として複数の疾病や心身の機能低下と共に「長く生きなければならない」今日、これまでの医学は、その先にある未来の姿を十分に描けているでしょうか。科学としての医学も、その応用としての医療も、いずれも「人間の営み」であり、研究活動、個々の臨床の場、地域医療システム、国としての基盤整備、いずれの次元でも、「人間として、人間らしく生きること」への問いかけは欠かせません。
医学・医療の先端化が加速する今、私たちは、人間として、社会として、生命の倫理や死生観、共同体の形を問い直し、考えを深めていくために本シンポジウムを企画致しました。
歴史的には一歩先を行く欧米に学びつつ、超高齢社会の先頭にいる日本だからこそ可能となる「先端科学とメディカルヒューマニティーズ」の統合の試みが、世界(グローバル)の医療(ヘルスケア)のイノベーションとして未来を描く手がかりとなることを願い、発信していくことを目指します。

 

◆基調講演 講師 プロフィール

ブライアン・ハーウィッツ(Brian Hurwitz)
ロンドン王立大学 英語学科 人文科学・健康センター ディレクター
(King’s College London Director of the Center the Humanites and Health)
1995年 インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London) プライマリヘルス学部上級講師就任
1999年 インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London) プライマリヘルス学部 学部長就任
2002年 ロンドン王立大学(King’s College London) 医療芸術学教授就任